笑いの構造

人間は何故笑うのでしょうか。
人間以外の動物は決して笑うことはありません(笑って見えるような場合もありますが)。
犬でも喜び、悲しみ、うれしさ、怒りなどの感情表現はしますが笑う感情はありません。笑いは人間独特の高度な生物特有の性質です。
人間は、普段の自分の身の回りの出来事と違う出来事で、かつ想定外の出来事を見聞きしたときに一瞬驚きの感情が沸きます。
「アレッ!おかしいな?どうしてだろう?」という考えが一瞬に脳をめぐり緊張感が走ります。
そしてすぐそのあとにオチが来て、「ああそうだったのかー」とほっとした気分になり、緊張が解けて頬が緩み笑いになるのです。

笑いの構造は4コマ漫画と同じく起承転結が基本
起   話の始まり
承   話の展開
転   話が急転→アレッ?と思わせる→一瞬緊張する
結   話のオチ→そうだったのか→結末に納得し緊張がほぐれ笑いとなる。

ここで漫才であればボケの後に相方がツッコミを入れます。ツッコミを入れることによってボケが引き立ちます。
ボケたままで終わってしまうと一瞬ボケた意味がわからず間が空いてしまい一瞬緊張感が走りますが、すぐにツッコミが入ることによって、ボケた意味がすぐに理解し、ホッとして気が緩み、ツッコんだ相方と共感が生まれ、ボケの普通でない言動や行動に興奮を覚え笑いとなります。

人間は普通でないことに対して不安を感じますが、話のオチやツッコミによって納得感が生まれ、その興奮状態を発散するため笑いが生じるのだと思います。

したがって、笑いを取りたいのであれば、普通の話の流れでは緊張する場面がないことから絶対に笑いは発生しませんので、「起承転結」の「転」のところで必ず普通でない状況を作り出す必要があります。
そして、次の「結」のところで、「転」とのギャップが大きければ大きいほど驚きも大きくなるので笑いも大きくなります。

たとえば、「起」として、ある通りで後ろ姿が髪型、髪のつや、ファッション、ミニスカートから出たスリムな脚、ハイヒール、歩く姿勢などから、およそ年齢が20歳代の美人を想像できるような女性が歩いていたとします。
次に「承」として、その後ろ姿を後ろから歩いていた30歳代の独身男性が一目ぼれして、声をかけてみようと決心します(いわゆるナンパ)。
次に「転」として、声をかけて振り向いた女性は何と見た目が70歳代の高齢者でした(実際に私も顔だけ見なければどう見ても20歳代に見えるご高齢の女性を何度か見かけたことがあります。)。ただ、ここまでで話が終わるとただの驚きで終わってしまい、見た目の年齢とファッションのギャップに驚くだけで多少の笑いが取れるだけだと思います。
最後に「結」として、ドン引きした男性がどういうふうにナンパを解消するか困っている姿に声をかけられた女性が積極的にナンパを受け入れようとするシチュエイションを表現すれば、その「想定外」の状況に笑いが生まれるのです。

この「笑い」とは違って「微笑ましい」、「嬉しい」という状況があります。
しかし、これは「笑い」とは心理的に異なるものです。たとえば、かわいい子犬や子猫を見て「かわいい」と感じて思わず微笑んでしまうのは面白くて笑うわけではありませんよね。これは、嬉しいときや喜びを感じるときに微笑となって表れるものです。この喜びの表現は人間独自のものではなく犬でも嬉しいときなどはシッポを振って喜びを表現します。

以上、笑う条件としては、笑う直前に「驚き」や「意外性」の状況が必要条件となるでしょう。普通の話の流れだけでは決して笑いは生まれません。
笑いネタを作るってたいへんですね。漫才やギャグ漫画のネタ作りに敬意を表します。

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